東京のエプロン屋

タブリエつくってます

メーカー社長のつぶやき[つくりこむ]

秋のバザーも無事に終えて、いよいよ師走を迎えました。
今年は節電の意識が高まったためでしょうか、
お客様から保温性について評価をいただくことが増えました。具体的な機能性に理解をいただけるようになりとてもうれしいです。

メーカーといってもウチはそのほとんどをひとりでこなしています。企画、生機と染色手配、国際物流、縫製加工、そして最終検品と納品などなど。通常のメーカーさんならば、それぞれに部署があったり、または商社さんのサービスを利用して処理しているかと思いますが、収益性を高めるためにすべてワンテーブルで処理します。
収益性なんていえば格好がいいですね(苦笑)、
いやいや実際は採算をとるのに必死なだけです。
お預かりしている代金は可能な限り次回の商品づくりに回します。モノを通じて売場さんやユーザーさん、タブリエに関わってくれているチャリティ関係の方々に還元をすることがチャーマースの価値につながります。無駄な広告費なども一切かかりません。

もちろん、ひとりメーカーには大きな弊害もあって、
それは作業の分担がなかなかできないということです。
作っているときは売れない、売っているときは作れない。
ひとりなのですから当然ですよね。作業には時間的な問題もありますが、商業としては資金繰りがもっとも重要な問題です。良いものをつくろうとすればするほど、予めの現金がより必要になる。それが売れて商品に人気がでると取扱い数が増える。そのとき品質の管理、維持にかかわる費用というものは相乗的にかかるようになりますから、お金が商品=在庫になり、またお金に戻るまでのリスクはぐんぐん高まります。そのリスクをはかることと、モノをつくること、作りこんでいくこととでは根本的につかう脳が違います。今のような不況と呼ばれる時代、リスクをとろうとする姿勢は自然と弱まりますから、モノづくりも必要な分だけ最小限に、、といった方向へ向かいます。

商売は売るものがなければはじまりません。
いまはメーカーが自ら作ることを控えているのですから、
消費が伸び悩む原因も消費マインドの委縮にあるとは一概には云えないと思います。またデフレで安価なモノの販売を競争しても付加価値の創造はなかなかできません。消費の機会そのものが失われていきます。
個人的に、この数年間で自由につかえるようになった時間がぐんと増えました。その分、必要なモノも限られ、同時に高い品質を求めるようになりました。
実用性の高いファッション、機能性があっておしゃれなモノ、

この国で求められるデザインが本格化しつつあるように感じています。