東京のエプロン屋

タブリエつくってます

出発進行!

今夜遅くTPPが大筋で合意されたとの一報が流れてきました。
漠然と貿易業を志して海外へでた学生(1990年代)の頃からすると、
個人的は幕末・維新のような衝撃と変化の足音を感じています。


海外へは優秀な人材が多く日本との位置関係にも恵まれた
ベトナムに比較的早い時期から出ていましたので、
現地加工品質の高さや国際物流の利便性など肌で感じ知っています。
日本の缶コーヒーへの豆供給にみられるように、
貿易製品の開発や新しいお米やその他水産物など、
農産物への研究と取組姿勢も非常に高く、
ドイモイ直後にハイフォンという港町に立ち寄った際、
英語も日本語も話せない方に、
日本(特に千葉)のイワシ価格を訊ねられ驚いたことを記憶しています。


インタ-ネットの普及で貿易業務はどんどん進化していくと思います。
テレックスや船便スケジュール、港湾在庫管理まで、
以前は商社でないと手が付けられなかった取引も、
最近は個人による手配が可能になってきました。


弊社では2年前から内製化を目指し長野県の松本市に家屋を借り、
昨春からは自分でもミシンを踏み始めました。
これまでは最終的に「実質的な変更を加える加工または製造」
を行った国地域を原産国とする
「実質加工」基準が慣例とされていましたが、
これからは製品を形成する要素(原料・部品と加工)の産地割合が
より重視されるようになっていくでしょうし、
メーカーとしても情報の開示に努める必要があると思います。
食品では常識となっているいわゆるトレーサビリティですね。
ちなみにタブリエの原産国比率はベトナム縫製品の場合、
生地と染色 裁断と縫製  糸ボタンなど
日本90 : 9海外ベトナム  :1その他
(物流面を除くコストベース)です。
弊社では15年ほど前に海外加工をはじめましたので、
以降は上記製品にラベルにはベトナム製(日本製生地使用)と、
国内工場で縫製し国内販売する製品にはすべて日本語で
日本製と表示するか、原産国表示をしない方法をとっています。


環太平洋パートナーシップとも呼ばれるこの協定は、
貿易障壁性が高い部分での関税撤廃をめざすもの(EPA)ですが、
3国間における位相が働く点が2国間で締結されてきた
FTAとは大きく異なると解釈しています。
その場合、海外調達した素材に日本で多少の仕上げ加工を施しても、
製品として有効な価値の向上は図ることが難しいでしょう。
その視点から製品ラインを見直し、
新しい日本製を手掛ける良い機会だと思います。
お互いに貿易相手国の立場も尊重し、フェアな取引がされ、
そしてもっと日本製としての手仕事も増えると良いですね。

原産地認定基準について