東京のエプロン屋

タブリエつくってます

タブリエと私

おかげさまで新しい年を迎えることができました。
年末年始は比較的業務も限られますため、
修理サービスでお預かりしたタブリエを松本作業所に持ち込み、
解したり、検品修理をしながらゆっくり過ごしました。


発売55年になるタブリエは同じ原型を使い続けています。
それでも縫製始末の仕方、使用する針や糸など、
製品コストと品質のバランスをとる中で、
合理化される部分と手間をかけるべき事案がでてきます。
そのような大事な選択をすべき際に大変役立つのが、
ユーザー様のお声とお預かりする修理品から得られる情報です。


先日、ユーザーさんでもある経営者の方から「夢と想いで」というフレーズを示していただきました。
長年、大切に使われているタブリエにもそれらの想いが奇跡となって顕れてくるものです。
ふといままで考えたことのなかった「この仕事に就いた理由」を想い出してみました。
そうしたら、残してあった小学校で書いた作文が偶然、いやいや、ちゃんとでてきまして自身納得。


幼少の頃、私はタブリエを賑やかな色柄のドレスと認識していまして、
友達を連れて帰るとタブリエをきている母がいるのが自慢でした。
こども心に母親がこのアイテムをとても気に入っていることを理解していましたし、
家庭でもおしゃれを楽しんでいる母親が居ることが嬉しかったものです。
90年代にそのタブリエの製造元がなくなりそうと心配そうに話す母に、
「俺、やるよ!」と後先構わず手を挙げたのでした。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。