東京のエプロン屋

タブリエつくってます

飛絮漂花

事務所近くに流れる呑川沿いに寒椿が咲いていました。
周りには固いつぼみたちが風にさらされながらも身を寄せ合い、
振り落とされないようにひっそりと育んでいます。
そんな姿に魅了され、さっそく花言葉を調べてみると、
いくつかあるうちのひとつに「愛嬌」という言葉が見つかりました。
相手を喜ばせるようなことを「愛嬌のある〜」と使いますよね。
寒空の下でつぼみを並べる様子には、とても似合う言葉だと思います。
念のため「愛嬌」という言葉を辞書で引いてみると、、、
ふむふむ、愛嬌と愛想は違うのですね、当然に。
『「愛想が尽きる」と用いても、「愛嬌が尽きる」とは言えない』のだとか。


この写真を撮影したのは昨年、12月末のことでしたので、
写っているつぼみも今頃はきっと花を咲かせたことでしょう。
ちょうど同じころ、この国の政権がかわりました。
ある政党の新代表が就任演説の際に添えた漢詩(現・唐詩)が
ホームページに掲載されていましたので拝読すると
「寒天」いう2文字があり、私の印象に残りました。
ご自身の解説には「空は寒くて、助けが少ない」と続きます。
耐え忍び、春を待ち望むことを業とするならば、
川辺に並ぶつぼみ達はどうして咲くことができるのか。
満天の星を数えて瞬けばひときわ輝くものがある。
いまの時期、都内では車の数が減り澄んだ空気に恵まれます。
仕事帰りにいつもは見えない宇宙を愛でていたら、
風が止み除夜の鐘声が聞こえてきました。
もうすぐ東北、信越を襲った大震災から2年が経とうとしています。

呑川とは編集