東京のエプロン屋

タブリエつくってます

お客様の本音 〜春節にあたって〜

私がチャーマースの事業を引き継いで11年が経ちました。
途中、国内、国外ともに委託先縫製工場の閉鎖が数回、
また、原料高騰のために40年据え置いていた販売価格が
製造原価に抜かれてしまうような事態になったりと、
モノを作ることを停止せざるを得ない時期もあり、
結果、生地と染色は日本、縫製はベトナム、そして定価は約2倍と、
いまのところ、これがベストと思われるカタチになっています。

が、

これは全て、作り手、売り手の事情なんですよね。
実際、こう書き綴ることも本当にお恥ずかしいばかり。
もちろん、さまざまな問題に対処し、考え、修正をかけるなかで、
タブリエユーザーひとりひとりの気持ちを念頭におき、
お預かりしている代金が最大限、還元なされるよう、
努力をしているのですが、正解をみつけられたことなんて、
ただの一度もないというのが正直なところです。

個人さま、通販会社さま、百貨店さま、お取引先から
返品されてきた商品がウチにもたくさんあります。
縫製などに問題があっての交換・返品は、
メーカーとしてすべきことが明確にわかります。
ただ、返品商品の大部分、9割方は、
そういった故障が見当たらないものばかり。
1枚1枚、広げて、自分で着てみて、確認しますが、
????・・・情けないことです。
それらひとつひとつの理由はわからなくとも、
マーケティングそのものが不十分であるということは、
一消費者としての自分からしても明らか。

一方でご愛用いただいているユーザーさまからは、
毎日のように、手紙をいただきます。
そこには改善すべき注意など、書かれてはいませんが、
「しっかりしなさいね」と見守っていただき、
この仕事を通じて大切にすべきことを学ばせていただいています。
以上、お客様の本音のわからないエプロン屋の本音でした。
来年はタブリエ発売50周年です。