東京のエプロン屋

タブリエつくってます

手づくり

週末は営業まわりと休暇を兼ねて東京に戻ることが多いのですが、
今週は東京マラソンがあり渋滞があるので見送りました。
その分、ゆっくりと作業をする時間ができましたので、
今日は夜更かしして縫製してました。
ここ、松本作業所ではいろんな音が聴こえます。
普段は併設している音楽教室から、
レッスンを受ける生徒さんのピアノや合唱曲。
生まれ育った東京の実家にはやはり音楽教室がありましたので、
生徒さんがいらしているときはいつも静かにするのが当然で、
ピアノやフルートなどの音を聴きながらの生活でした。
だから今の環境は恵まれたものだと思っています。
作業といえどもやたらキタナイ音は出せません。
何かをつくるとき、特に針と糸といった馴染みの必要な時には、
音にまでの調和はとても大事なことだとあらためて実感しています。


そうそう深夜に日記をつけようとした理由がありました。
「手づくり」
モノを作ることはまさに手を作るということなんですね。
子供のころは音楽教室に通われていた社会人の方の姿をみて、
(実際には流れてくる音をもっての想像でしたが)
一音一音に、あぁ、苦しそうにしているなあと、
幼心にもどこか魅了されるところがありました。
譜面にそって楽器を演奏することと、
生地端をあわせて縫い目を残していくこと、
どちらにも手づくりが必要なところが似ています。

ミシンの上に写っているアタッチメントは裾などを三つ折りにする、
三巻ラッパという便利な道具ですが私にはまだまだ使いこなせません。
タブリエの生地はナイロンタフタという軽くてもコシのあるもので、
ドレススタイルにしたとき裾の巻き具合で仕上がりが異なり、
裾巻きはとても大切な仕上げ工程なのです。
道具を使って一律に見かけを綺麗に縫い上げることはできても、
その都度、風合いを出すための調整には手先の感覚が頼りです。


さて、教室がお休みの時や深夜にはラジオを聴き流しています。
クラシックや音楽のプログラムがやっているときは音は小さ目。
あとよく聴くのが国会中継でこちらは音量は大き目。
このあんばいが実家で同居していた亡き祖母と同じでして
自分でやっていて懐かしくなることがあります。
それではおやすみなさい。