東京のエプロン屋

タブリエつくってます

アーミッシュスタイルのタブリエ

母の日オーダーも納品を完了したところで、お楽しみの録りためたNHKカーネーション」を観ていますと、
5年前に家庭用ミシン1台積んで松本で縫製業をはじめた頃が遠い昔のように感じます。
裁断台もなく裁ちばさみも100円ショップで買ったもの、そもそも道具の名前さえ知らなかったです。
いろいろなモノがなかったなぁ、と懐かしんでいたところ、「!!」っとひらめきがありまして、
早速、仕立ててみました。

エストリボン位置で上下に切り替えをつけアーミッシュスタイルのタブリエ完成です!!
これならお世話になっている松本での果樹園作業などでも喜んでもらえそうです。

通気性の高い撥水加工無しのタフタ地でノースリーブを仕立てました。

無地の長袖タブリエは屋外などでの作業も想定し撥水加工を施していますが、
こちらの使用生地は定番のプリントタイプ(長袖&袖無し)と同様の風合いになります。
同じ生地で長袖もお仕立て可能ですのでご希望の際はお問い合わせください。

今日は塩尻市に出かける用事がありまして、
夕方に義父母が手掛ける梨園に寄り道してきました。
いまのところ霜も降らず画僧のとおり無事に開花、和梨はちょうど受粉作業が始まったところでした。


昨年、摘花作業からのお手伝いでしたが、今年は開花する過程から学ぶことができたので、
落葉果樹の受精プロセスがわかり、この時期までの剪定と摘蕾作業の必要性がよく理解できました。
少しだけ剪定中の洋梨の枝拾いを手伝って、おみやげに蕾のついた剪定枝をもらって帰りました。

NHKで連続ドラマ小説「カーネーション」の再放送が始まりましたね。
6年前の放映時、この作品を観て非常に感化されまして、
それまで洋裁の趣向、経験も全くないのに1年後には松本にひとり作業所を開いていました。
東北で大震災があったことや海外工場での量産加工に課題を抱えていたことで
長年のお付き合いがあるユーザーさんから寄せられる声に対応できない悔しさが募るさ中に出会ったのが、
このドラマの主人公が力強くミシンを踏むシーンでした。
松本でプロ用ミシンを触れる洋裁講座に通ってみたり、
ネットオークションで古い工業ミシンや道具を買って直して、
今では自前で裁断、縫製したタブリエを百貨店さんの棚にも並べているのですから、感慨深いものです。

あの頃に感じていた数々の難題はトンネルは通り過ぎてみるとすべてが私自身の夢だったんですね。

ユーザーさんから預けてもらった修理品を中心に、下手の長糸使いといいますが、
お蔭さまでミシンの修理と糸解しは相当な技量レベルに達しています。

さて今週末はそんな夢のつまった松本作業所に滞在しています。
作業の合間をみつけて洋裁教室を通じ知り合った隣町、塩尻の方から預かったミシンの整備をしました。
日本国内で製造された昔のミシンはとても丁寧につくられていて、ほとんど動かなかったこちらのミシンも、
各所バラシして洗浄、組みなおすことで基本的な動きは新品同様にもどりました。
直線縫いミシンで不良原因に多くみられるのは英語でLoop Takerと呼ばれる釜部分(ボビンケースをいれるところ)と
押え上げから糸調子までの機構をつなぐピンの固着です。
部品の組み直しには位置決めにコツを要する場合もありますので、
まずはDIY売場で手に入るスプレー式のパーツクリーナーで内部洗浄をかけて状態の悪い箇所を特定すると効率的です。

ミシン油を注して一晩おいてから動作確認して完了です。
きれいな縫い目でまたたくさん踏んでもらえるようになるといいですね。

おかげさまで無事に新年を迎えることができました。

タブリエも今年で発売から56年目になります。
ユーザーさんには母親が使っていたという方もおおく、
なかには3代続けてのご愛用者さんもいらっしゃいます。
私自身がそうであったのでつよく共感できるのですが、
タブリエを着た女性のいる家庭で生まれ育ったからこそ、
理解できるタブリエの良さがあるのかもしれません。


さて先週末、松本作業所では今年初めての裁断作業をしました。
年末からのご注文で特にMサイズが間に合わず、ずっとお待たせしているお客様には本当にすいません。。。

1着分約2.5m前後のタフタ生地が広げられる裁断台に
生地を重ねてから裁断します。
もう何十年も同じ製品だけを生産してきているのに、
ベトナムでの量産工場時代は200着以上を1セットでした)
結果、現在は10着前後を1回分として裁断しています。
ユーザーさんのお声に近づけば近づくほど、
定型化できない微修正が必要になるからです。


同じ立場の量産縫製工場さんからすると??なことも、
今ではユーザーさんのお声やご希望があればどんどんやります。


最近の悩みは縫製につかう糸、できれば縫製にも
ウール・羊毛地との相性がよい(帯電率があがらない)ナイロン糸を使いたいと、
数年前から試行錯誤していて裁断含めて工夫をかさねています。
しばらくは手元にある生地在庫での製品供給(=小ロット生産)がつづきますので、
この機会にユーザーさんたちともうんと距離を縮め、
目には見えない型紙をつくり残せたらいいな。。。。
以上、東京のエプロン屋がひとり夢見る初夢でした。

雑巾づくり

年の瀬に片付けモノをしているとくたびれたYシャツや下着がでてきます。
古着はそのままでも拭き取りウエスなどに便利に使えますが、
ミシンをお持ちでしたら、古くなった半端な縫い糸を使って雑巾づくりもおすすめです。
仕上がりを気にしなくても何枚かつくれば要領つかめ上手になりますし、
何よりブンブン踏めるミシン掛けはストレス発散!?