東京のエプロン屋

タブリエつくってます

民間にできること。

 Ethic
英語で倫理、道徳といった範囲を指す名詞でここ数年、よく使われようになってきた単語です。私たちにも馴染みのあることば、モラルにおきかえることもできますが、たとえばethical wayといった場合、集団行動における規範を見つめ直し、受益と負担から実現される社会を継続させるための方法を指し、狭義に個人主義[individualism] 、利己的な思想の対語として活用されているようです。
私も最近、テレビ番組で初めて知ったのですがイギリスではこのethicalなビジネスが一定の成功を収めている事例があるのだそうです。

http://www.thepeoplessupermarket.org
寄付を含めた25ポンド(約3千円)を4半期ごとに支払いメンバーになり4週間につき4時間(またはそれ以上の時間)組織運営に奉仕することで食糧日用品を一定の割引価格で購入することができるスーパーマーケット。

http://www.oxfam.org/
日常で使用している金銭・日用品などの寄付受け入れ、Oxfamショップでの販売などを通じ、雇用創出、人道的支援などを行う組織。最近観た映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」の中で老後まで大切にしていた家財を整理するのに「Oxfamへもっていくわ!」とつぶやいている主人公のセリフがとても印象的でした。

現地では、たとえば税の減免などがみとめられているのでしょうか?日本の場合、特定の政治活動や営利活動の側面が含まれる可能性を排除できない場合、憲法に抵触しますので少し難しそうです。それでも上記の例は非常時だけではなく日常の地域社会で活きているという点がたいへん興味深く、施しではなくお互いを支えあうために必要な選択肢が用意されているということは、今後ますます重要になると感じています。(もうずっと昔のことになりますが)個人的にホームレスの人たちと一緒に仕事をする機会があり、彼らの日々の目標に「乞食にならないこと」があることを知り心底恥ずかしい思いをしたことがあります。働いた対価でモノを買う、食べる、社会に参加し迷惑をかけたくない、そこには誰もがもつ自活という欲求があって、ただ道が用意されていないことに問題があるのだということに気づく貴重な経験でした。
日ごろ無意識に壁をつくり、後になってその存在にきづくことがあります。相手の立場に立つことは優しさだけでなく力の要る作業です。この力を各自が得意な分野から持ち寄りあわせることができれば、民間福祉が成り立ち、それだけで安心できることが日々の生活のなかにはたくさんあるように思います。